豚精液による希釈液の凝集現象と凝集因子の由来

豚精液を10%卵黄糖液で希釈すると,多くの場合,希釈直後から卵黄液が白濁しはじめ,やがて凝集塊が沈降する。このような希釈精液における凝集は豚精液のみに認められる特異的な現象である。55頭の雄豚の中の48頭の精液にこの凝集作用のあることが認められたが,豚の品種による差はないようであった。この凝集因子は精漿成分の大部分を構成する精のう液に由来し,卵黄液以外に血清,希にミルクとも凝集を起こした。寒天ゲル内拡散法においては豚精漿と卵黄液及び血清との間に明瞭な沈降線の形成が認められ,希にミルクとの間にも沈降線が認められた。...

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Published inKachiku hanshokugaku zasshi (Tōkyō. 1977) Vol. 23; no. 3; pp. 121 - 125
Main Authors 副島, 昭彦, 枡田, 博司, 和出, 靖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本繁殖生物学会 01.09.1977
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ISSN0385-9932
DOI10.1262/jrd1977.23.121

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Summary:豚精液を10%卵黄糖液で希釈すると,多くの場合,希釈直後から卵黄液が白濁しはじめ,やがて凝集塊が沈降する。このような希釈精液における凝集は豚精液のみに認められる特異的な現象である。55頭の雄豚の中の48頭の精液にこの凝集作用のあることが認められたが,豚の品種による差はないようであった。この凝集因子は精漿成分の大部分を構成する精のう液に由来し,卵黄液以外に血清,希にミルクとも凝集を起こした。寒天ゲル内拡散法においては豚精漿と卵黄液及び血清との間に明瞭な沈降線の形成が認められ,希にミルクとの間にも沈降線が認められた。
Bibliography:ZZ00021434
161262
ISSN:0385-9932
DOI:10.1262/jrd1977.23.121